現場にはじめて「3C分析」をやってもらうには

ビジネス
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なぜ3C分析をやるのか。
簡単です。
みなさま、

イマジナリー競合やイマジナリー市場で、目隠ししながら判断しているからです。

会社にいませんか?

考えるな、感じろ!

肌で、雰囲気で覚えるんだ!!

こんなこという人。

特に営業で、なぜかよく男性先輩が言うのです。
数字を見る職種なのに、提示される数字以外はフィーリング。
自分の経験だけで判断。
経験( ゚д゚)w」で判断って。
経験がない新人が、一番困るタイプの先達ですね。

ですが、社内を見渡してみると、意外に皆さま、経験や印象(=思い込み)で判断していることが多いのです。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」が流行る理由もわかる気がします。

ど派手なニュースやイベント、同僚のタダのうわさから、敵国(競合)のイメージが作られているのです。

となると、会社をコロナ禍下で必死に運営している経営陣からしたら、たまったものではありません。

思い込みや印象で、仕事するな( ✧Д✧) !

と言いたくなるのもわかります。

「〇〇社が競合ダヨ」
↑これすら、間違っていることもあります。

ウソだー、と思う方もいるでしょう。
いえ、私だって思っていました。
上記のセリフを、思いっきり

え?
よく似たサービスあるけど、その会社ってジャンル違うよ

と、競合会社を「違う」と言い張り、まあ「チェックしておこう」という会社名を競合会社として言った人を目撃するまでは。

違う会社の人の言葉でしたが、他社の私でも

は?
違うYO!

とわかる間違いでした。

それで、よく仕事しているな、と驚いた記憶があります。

前置きが長くなりましたが、こんな人たちの覚醒を目指して。
お偉い方々は、「3C分析をしろ」とお達しを出してくるのです。

やってもらう(やる気を出させる)には

まず、「なぜやるのか」の目的をはっきりさせる。できれば、「会社の〇〇のため」ではなく、部門やチームレベルまで落とし込んだ「目的」であった方が、より具体的で有効な結果に結びつくもの。
身近な事柄に対する対応策、だからこそ「何とかできそう」「こういうことななら、〇〇」という提案が出やすく、分析を行った意義が出てくるものなのです。
どのようにしたら、現場に「3C分析」をやってもらえるか。
具体的な事例で以下から説明いたします。

そもそも3C分析って何か。

まず、そもそも3C分析って何か。
なぜやらないといけないのか、を現場事例に合わせて説明してみます。

「現場」に合わせて、がミソ。

やらせても、意味がないものが上がってきたら、自分たちも現場も時間の無駄となります。

できれば、現場を知る課長クラスの人と、「勘違いしがちな〇〇」を聞き出して、3C分析をやることの意義を少しでも身近に感じさせることが大切。

では、実際の例を見てみましょう。

事例①

営業部で。
※ちなみに、私も10年近くノルマと戦ってきたが、こういう客観視できる打開策を考えられるツールがあるなら、ぜひやってほしかった。

————————-
( ・□・) 「今月のノルマってキッツイ」
ヾノ・∀・`)「今のご時世、達成できるわけないじゃん」
(´A`)「どうせ数字しか見てないから、達成できそうな数字を設定するんじゃなくて、ほしい数字を入れてるんだろ」
————————-

このようなセリフは、同僚とよくする会話のはず。
ちなみに、営業時代、同僚とよく「無茶ぶりが過ぎる!」と同様の会話をしていました。
納得感がなく、押しつけの数字ノルマを渡され、打開策があるとも思っていない。
実際、そんな会社も(それなりに)あるのでしょうが、案外「ノルマ」になっている「数字」って根拠があるモノ。

これで3C分析を行うと、「まじか…」と目からウロコなことも多いのです。

さて、3C分析に戻ります。

ここで「SWOT分析」「5フォース分析」「バリューチェーン」とか言い出したらダメ。

すでに、「3C分析」という専門(笑)用語の分析を行え、と依頼するのです。さらによくわからない単語を並べたら、社員の関心とテンションが下がって、自分の中で落とし込める発見ができそうな人でも、気持ちが冷めます。

横文字を使うと、端的に意味を説明できる気分になりますが、これは「やらかし」です。
自分が知っているジャンルや用語は、人によっては
難しそうな専門用語=自分にはできない、ハードルが高い=自分には関係ない
と、一瞬で判断されるからです。その後はどんなに言葉を重ねても「馬耳東風」。
右から左に聞き流されます。

「CMS」「DB」「クエリー」「BI」「要件定義」

これら、なんの単語かわかりますか?
エンジニアだったら、「は?知らないはずない」単語ばかり。これらは、エンジニアと設計構築の話をしていると必須です。
日本語フレーズもありますが、どういう意味に使われているか、わかりますか?

ああ、開発とかエンジニアとか、業務分野全然違うし、知らなくても大丈夫

とか思いませんでした?

「ポートフォリオ」など言い出す企画者へ 、同じことを思っていますよ、分析を行う社員たちは。

だからチームレベルまで、3C分析を行う目的を落とし込むのです。いうなれば、「サブ目的」です。 そもそも3C分析って戦略を検討するものなので、一般社員には必要性、親和性がないですから。
「会社規模」の目的だと、一般社員には遠いお話。でも、これから分析次第で課せられるかも知れない「ノルマ」であれば。どちらを必死になって考えるか、なんてすぐわかるはずです。

進め方の注意

さて、「やれ」と言われても、具体的な分析をどのように行うかわからないもの。
細かく道筋を示し、導いてあげてようやく「50%」のものが出てきます。
新人や、やったことがないことに着手する人が出す結果なんて、そんなものです。むしろ「50%」以下のレベルの成果物だった場合、やり方の道筋や導き方が足らなかっただけです。
「それくらい」と思うのはやめましょう。

自分がまったくの「新人」の時、1回目の、突然のよく知らない業務の依頼に出す成果物がどんなレベルだったか、思い出してみてください。
期待値100%越えのものを出せましたか?

かかった時間はどれくらいですか?

事例②

引き続き営業部で。
依頼された社員たちは、こんな感じになりますよ、きっと。
————————-
( ・□・) 「「市場」とか「競合」について、だってさ」
( ・o・) 「競合って、〇〇シリーズだろ?」
( ・o・)?「は? △△社のことだろ?」
(´A`)「市場って、経済悪化待ったなしだから、やばいってこと?」
( ・_・)?「エンドが買い物をECにシフトしているだろうから、うちも競合はECのA社ってこと?」
————————-

はい、基準や軸がわからないとこうなりますね。
まとまるものもまとまりません。
こうなるケースの方が多い、と思って手配した方が効率がいいです。初回だと特に。
方向性を操作している、と思われるかもしれませんが、1回目から期待値以上の素晴らしい成果が出てくる、と思うのは幻想です。

幻想です!!

もう一度書きます。

初回から成果物が期待値以上のものになるなんて、幻想です!!

例えるなら、小学生中学年のこどもに「逆上がり」の理論(説明ではない)を伝えて(教えていない)、「やれ!」とやらせた成功率と同じようなものです。
幼稚園ほど子どもではないので、ある程度の理解力はありますが、あとはお察しです。

ここで、戦略とは縁がない一般社員へやる気を出させるメリットを伝えるようにしました。具体的には、どういった言葉が出てきたらよいか、を具体的に決めて、項目を選定します。部門やチームに最適な項目を選べると、以下の事例のようになるでしょう。

事例③

またまた営業部で。
————————-
( ・□・) 「市場規模? ああ、業界で? ああ、うちのチームで取り扱っている◇◇のね。了解りょうかい」
( =□=) 「ほへー。日本で億単位も売れてるんですね、これ。うちって、1か月十数万単位じゃなかったですっけ、売上」
( ・`ー・´)「今までのノルマって、案外ゆるいんだな、うち。大手のはずだけど」
(; ̄^ ̄)「まあ、こりゃ比較されると、うちじゃなくて△△を買うなー。でもうちだと☆☆なところがいいと思うけど」
( ・`ー・´)「じゃあ、そこをもっと強めるか、ちょっと改良してもらえれば、うちも営業しやすくなりません?他社と違うアピールになりますし」
( ・◇・)?「誰がどこに言うんだよ、それ」
( ー`дー´)「今回の分析に付け加えておけば、偉い人のところに行くんじゃないですか?」
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やることを具体的にしてある程度誘導すると、自然に「これって」と、深く分析検討を始めてくれます。
日本人は勤勉なので。

こんな感じに導ければ、よい循環になっていきますよね。チームで戦略を組めなくても、「改善」や「提案」が生まれてくる。そうやって人は育てていくものです。

ひよこさんたちが歩きはじめたら、部署や部門リーダーが旗を振って歩き、分析をまとめて戦術に。
そうして出された戦術を仕分けて戦略に。

循環が生まれたら、望外の結果として、会社が上手く回るようになるでしょう。

何回か実践した後、「実はこの項目をまとめると『SWOT分析』となるんだよ」と教えると、今度は「へぇ、これが!」と目にきらめきを浮かべて聞いてくれるでしょう。
ここまでくると、幹部候補生です。
5フォース分析」「バリューチェーン」も、興味を持って考えてくれるように成長してくれるはず。

とはいえ、「部門ごとに作りこむヒマなんてない!」というのも、その通りです。
餅は餅屋。
チームは部署に。
大体共通項目を準備し、フリー項目を1~2項目準備して「カスタマイズしてね」と渡せばよいでしょう。

※エクセルサンプルも準備してみました。実行ステップも、補足として書いてます。
(準備中)

実践してもらう

具体的なカテゴリを入れると「何を調べて」「何を見て分析する」のかがわかりやすいのです。
サンプル(準備中)を使って、やってみてもらってください。

ここで、数字や文言が出てこないようであれば、そもそもその部署は「戦術」すらなく、ただ言われたことのみ、疑問も持たずやっているということがわかりますし、逆に具体的に出てくるけど「だから、それをどう使うの?」が出てこないようであれば「じゃあ、ベンチマーク(具体的な競合=敵である企業名を上げて、自社との差を考えてみて」と、誘導できたりします。

大切なのは、

「具体的」であること。
「具体的」な企業名を出すこと。

これで、「イマジナリー競合」「イマジナリー市場」から、現実の「競合」「市場」が見えたはずです。

現実的な企業をみて、自社との違いを見る=差別化ができる
具体的に、「どのようにしたら、よりよくなるか」がみえてくるのです。
事例③の後半のように。

これで、3C分析の目的は、ほぼ完了。

あとは、管理職のみなさまに「戦略」を練ってもらえれば、完成!です。

終わりに

現場に「3C分析」を実際にやってもらえる、具体的な方法を書いてきました。

これらは、実際数社の企業で実践してきて「やりやすい」と言われた方法に調整してきました。
このシートができるまで、もっと分析や数字の項目を入れてみたりもしましたが、「現場」がわかりやすくやりやすい「項目」から乖離してしまいました。
もっとやって欲しいことなどあるでしょうし、もっと80%くらいの完成率が出せるような「分析シート」はないか、と突き詰めたこともありました。
しかしながら、忘れてはいけないのは

3C分析=経営のための分析、戦略のための分析

であることです。
現場には「視座が高すぎる」分析の依頼となります。
そもそもが、ジャンルが違いすぎるのです。作中で記載した、「開発用語」のように。
だから、こちら側が合わせてあげましょう!

以上、このコラムはここで終わりです。

ぜひ、社員全体の底上げ、会社の伸長のため頑張ってください!

 

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